カテゴリ:「浅草の家」( 24 )

「浅草の家」1年点検

夏至の宵の口

旧暦でいうところの五月雨の薄暮の中

建てものが一番美しくみえる時間

1歳になった「浅草の家」を訪れました
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具合の悪い箇所などをおうかがいしたり
エアコン取り付けの位置を確認したり
棚板の枚数やコンセントを増やす計画をしたりしながら
(いい家だ……)と心の中でつぶやいています


ダイニングから居間をみています
間接照明と建て主さんが選んだペンダントの陰影
その対比が美しいです

アジアっぽい感じが収納扉のチーク材とマッチしています
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これも「建築家の構成力と建て主さんの固有性」ですね
by ocm2000 | 2013-06-22 11:32 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」外観・玄関


f0230666_11344774.jpg浅草寺から北へ10分
下町の雰囲気を色濃く残す地域です

一般的には「鉄骨ALC造」で1階がシャッター……
住宅だけど、ビルのよう……といったつくりが多く
人懐っこい下町の人情的な気質の“たまりば・行き場”が失われつつあります

この住宅では、鉄筋コンクリート造3階建てという威圧感をやわらげ
道路との間にそんな“緩衝帯”をつくりだすように心がけました




f0230666_11351057.jpg下町=江戸町家=格子……といったポピュラリティーのある言語を用いながらも
荒々しい打ち放しコンクリートとの対比、もしくは均衡によって
甘さを押さえ、緊張感を生み出しています




f0230666_16411643.jpg防火地区で木製の格子戸?
道路から距離をとり
隣地からはコンクリートの壁を防火壁として算定し
法規をクリアしています




f0230666_11353970.jpg内部はオイル仕上のチーク材と無垢鉄の鈍色(にびいろ)
そしてせっこうプラスターの左官塗り壁(刷毛引き)を基調としています




f0230666_1136860.jpg階段は2枚の平鋼(44×6)で吊り
小さなチーク材を振れ止めとしてはさんでいます
鉄でありながら、繊細なリズム感を表出させています

バラバラのパーツを現場でボルト・ナットにより固定し、水平垂直を出す……
とても手間のかかる仕事を職人さんにお願いしています

by ocm2000 | 2012-05-15 17:24 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」LDK



f0230666_150623.jpg吹抜けの光に導かれるように
2階に上がってきます



f0230666_1525956.jpgLDKの中央に設けられた吹抜け
3階テラスへ渡る階段
採光を遮らないよう強化ガラスの手摺になっています



f0230666_1457835.jpg鉄の桟にはガラスが入っています
反射による空間の広がりも計算しています
表の格子との対比



f0230666_15164778.jpgキッチンまで天井がフラットにつながっています
梁の無い構造(薄肉ラーメン構造)の利点です


特注のキッチンです
下部は湿気がこもったり暗がりをつくるのがいやなので、扉をなくしています

コンロは初代の+doシリーズです
最近流行のガラストップではなく、ゴトクが大きなところがポイントです
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by ocm2000 | 2012-05-14 15:28 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」3階


f0230666_17265056.jpg3階には茶室があるので、その“いざない”として日本的な空間になっています
床と天井は杉材です
床にはキヌカという米糠由来の自然オイルを塗っています



f0230666_1727263.jpg障子を開け、吹抜け越しにテラスを見遣ります



f0230666_17275238.jpg吹抜けを3段超えて、テラスへ



f0230666_17281186.jpgテラス
デッキ材は、木粉60%入りの樹脂性です

by ocm2000 | 2012-05-13 17:38 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」茶室


f0230666_194221.jpgこれは「浅草の家」“平三畳丸畳広間切り”の茶室です(?)

いろいろ研究した結果、そういうことになったものの
検索してみたら、そんな言葉、OCMのブログにしか出てきません(笑)

果たして、そんなにオリジナリティーが高いのでしょうか?

平三畳とは、畳を三枚平行に並べること
丸畳とは畳の一畳のこと
広間切りとは、炉の切り方で
四畳半や広間(8畳)の時と同じ炉の切り方であるということ

さて、そうするに至った典拠とは……

建て主さんが浅草寺のお茶の教室に通ってらっしゃる
普段はご使用されていないようですが、そこには「天祐庵」というお茶室があり……
それは「表千家不審庵」の写しである……
本家は「平三畳台目台目切り」

されども一般の方々はほとんどが四畳半か八畳広間で茶席をもたれることが多い……
ならば、と不審庵のプロポーション(広さ高さの比例)をそなえつつも
実質的に使える茶室を……ということで、相成りました



f0230666_19103668.jpg「練習用に……」と依頼され、限られた面積
本家の床の間がある位置に、床の間を穿つ事はできません
そこで押板に竹釘を一本打ち
“織部床”という考え方にしています

お軸がかかっていなくても、その床の間が認知できるように……
本来床の間たるところに腰張りなきことは存じ候らえども
あえてここは、腰張りを曲線にカットし……

忌諱に触れつつ、新しいものを生み出す
そろそろ「守破離」の“破”くらいには到達せねば




f0230666_20355021.jpg見返れば、本家のにじり口ではなく、貴人口的な引違いの入口

左側を開ければ、階段上部の吹抜け
ガラスの板を一枚渡し、もう一つの床の間が生まれます
“浮き床”“光り床”と名付けています

本家で床の間があった部分には、明かり障子(雪見障子)を入れています

3階にある茶室
階段を上がってくる時に、見上げた浮き床
茶会のおわりに「襖をあけてくださいませんか」と亭主が……
すると、ぱっと明るくなり
もう一度韻を踏んだように、浮き床があらわれる……




茶の湯の世界にはこういう言葉があります
「茶の楽しみは、亭主8割客2割」

いい言葉です
by ocm2000 | 2012-04-30 21:14 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(2)

「浅草の家」 site & plan

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●概 要
竣  工:平成24(2012)年4月
所  在:東京都台東区
地  域:商業地域、防火地域
敷地面積:99.89㎡(30.21坪)
建築面積:56.48㎡(17.08坪)
延床面積:139.62㎡(42.23坪)
 1 階 :53.31㎡(16.12坪) 
 2 階 :53.72㎡(16.25坪)
 3 階 :32.59㎡(9.85坪)
 建蔽率:56.54% <80%
 容積率:123.11% <240%
構  造:鉄筋コンクリート 薄肉ラーメン構造

●主な外部仕上げ
屋根  -塩ビシート防水
壁   -コンクリート打放し/ジョリパット吹付
建具  -アルミサッシュ・ペアガラス

●主な内部仕上げ
天井  -エマルジョン塗装
壁   -せっこうプラスター左官塗
床   -チーク無垢材フローリング

●構造設計:S−cube/担当:星野氏
●施  工:伊藤工務店/担当:池田氏
●設計時の家族構成/40代夫婦、子供1人(中学生)
by ocm2000 | 2012-04-27 16:09 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」竣工披露の宴

竣工からふた月が経った七月初め
お友達を呼んで宴席をもうけるとお聞きしたので
夕方、ちょっと顔をだしてきました

玄関まわり、奥様が独自に研究をしながら植栽していただいてます

「下町もこういう建て方しなきゃ」と建築家は格好つけて提案しましたが
土地柄、現実的には、猫のフンや酔っぱらいの粗相と日々格闘されています

ご苦労おかけします、、、、

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キッチンでの動きを観察します
検証とまではいきませんが
図面にはなかった、その空気を設計脳に付加します

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家具が入り、灯りがともり、人が動く
HOUSE から HOME へ変わろうとしています

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この後、ご家族3人と、お友達が十人以上お集りになり
夜更けどころか、朝の三時までご相伴させていただきました
(平日でしたがw)

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その人のお友達に会えば、その人のことが、よくわかる
ということを改めて感じました

みんな浅草生まれの浅草育ちのDEEPな人々

これからも“東京右半分” 浅草區の端っこ(浅草橋)に
住んでいこうと考えているOCMにとって
貴重な夜になりました

御礼
by ocm2000 | 2012-04-26 21:35 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」三社祭

「江戸の祭りは下谷から」というように
下谷神社例大祭についで、浅草の三社祭がありました

五月二十日、ごったがえす浅草の街「浅草の家」の御様子をうかがいに
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御神輿をかつぎに出られていて、当然お留守のようでしたが
三社祭のちょうちんが、なんともOCM建築とマッチしています

多大な困難と、御散財を乗り越えてできた家……
建築家として、ホッとする瞬間です
by ocm2000 | 2012-04-26 20:38 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」OCM original TABLE

OCMオリジナルのテーブル[sw-table1]を納品してきました

OCMで使っているものは、タモのはぎ板ですが
「浅草の家」は床材と同じチークの集成材です
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脚部のパーツ取付けです
バラバラな方向のようにみえますが
対角線方向が向かい合うように取付けます
“筋交い”や“ブレース”と同じ考え方です

次にサンドペーパーをかけ、ワトコオイルを塗って仕上げます
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ものすごく重たい天板を、鉄と木の細い部材で支えています
もちろん、揺れません
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同じように鉄と木の脚部を持つイームズの椅子との相性もいいですね

大きさ:w180×d850
天板厚み:30
高さ:705~720に調整可能
by ocm2000 | 2012-04-25 16:36 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)

「浅草の家」追い込み

無塗装・無垢鉄の階段
通常の鉄骨階段は、工場で組み立てられた一体型のものを現場に搬入しますが
この階段は、小さなパーツを現場でボルトオンしています

手間はかかりますが、繊細さを表出することができます
鉄は、触れば冷たいですが、その表情には“ヌメっ”とした温かみをもたせています
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3階、吹き抜け越に少し高い位置のテラスをみています
“屋形舟に乗っているような浮遊感”というものが
ずっと頭の中にありました
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「平三畳丸畳広間切り」の茶室
「不審庵」を典拠としています
これから土壁を塗ります
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4月半ば竣工予定です
by ocm2000 | 2012-03-28 10:31 | 「浅草の家」 | Trackback | Comments(0)