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「芦屋の家」竣工

「芦屋の家」インナーガレージと茶室のある住まい
30代の夫婦と小さな子供二人のための住まいです。

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前面道路は坂道で、敷地とは高低差のある芦屋の山手独特の環境です。


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高低差の大きな方に、来客用の玄関を設け、高低差の少ない方にガレージと日常使いの玄関(勝手口的な)を設けています。
外壁:KMEW和ボーダー15/MWハイドグレー、軒天:ニチハ軒天12木目調ティンバーベージュ、床:平田タイル/ピエドラ6色ミックス

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杉型枠打ち放しコンクリートとタイルのアプローチ階段です。左下の土の部分には植栽が入ります。

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玄関ポーチと呼ばれる部分です。沖縄などでよく使われる「花ブロック」で、道路からのプライバシーを確保しています。またベンチを設け、茶室のある路地庭の待合のような雰囲気も持たせています。

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道路からは見えない西側の方に、階段室と屋上に出る塔屋を設けています。

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3.6mの高い天井と、低い地窓からの光、そして遊び心のある照明器具でお客さまを迎えます。
床:平田タイル/シャトー

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上がり框は真鍮で、この住まいの通奏低音を担う素材になっています。

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シュークローゼットの扉は、壁と同化させた素材になっています。

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シュークローゼットの内部です。北側高窓からの柔らかい光で一日中安定した明るさを保ちます。

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LDK、庭に面した南側の明るさと、北側の間接照明による落ち着きとの対比。

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吹き抜け越しに、2階の個室群とのコミュニケーションが可能になります。

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ラタンの照明器具、左側スタディーコーナー上部の収納扉にもラタンを用いていています。黒い部分はマグネットボードになっています。

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OCMのテレビ棚(あみだ棚)、昨今は壁掛けが主流なので、テレビ棚にテレビが載ることは少なくなりました。

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テレビ棚詳細、横板の後ろには隙間を設け、配線や清掃の容易さを考慮しています。

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障子で閉じられた、囲われた和室(茶室)。

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障子を全開にしたところです。日本的な空間は、可動の障子や襖などによる空間の可変性に魅力があります。


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裏千家を代表する茶室「又隠(ゆういん)」を典拠にし、多々独創を加えた四畳半(京間)茶室です。

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床柱:香節丸太、床框:北山杉磨太鼓、地板:米松、畳:DAIKEN銀白/極/山葵、畳縁:高田織物/利休鼠、襖紙:東京松屋/ひばり735鳥の子、腰張り:手漉き西の内紙/大判/厚口/未晒し、その他:よしあじろ、晒し竹

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2辺を障子で閉じたところ。囲われた雰囲気、お客様との親密感を表出します。

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雪見障子(猫間障子)を上げたところ、座った低い目線の位置で庭との関係性が生じます。

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障子を全開したところ。「大寄せの茶会」などを催す時や、日常的にはこの状態で使用します。

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水屋、持ち送りの開口部にバットマン2007の紋様を用いています。アメリカ好きな建主さんへの遊びです。

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2階、プライベートな空間(個室群)への階段、足元を明るくする地窓、昇り始めは目線が庭へと向かいます。

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柔らかな床は柔らかなカーペットを用いています。階段や廊下は生活空間ではないので、食べこぼし飲みこぼしなどで汚れる心配の少ない部分です。

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2階、南側、バルコニーに面する明るい廊下。

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廊下の途中にある「ヌック」、暖かな陽だまりの中で、絵本でも読みたくなります。

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吹き抜けの上からLDKを見下ろしています。シーリングファンや、窓際のロールスクリーン、サッシの開閉は電動になっており、温熱環境を調整する機能を備えています。

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階段室の最上部、塔屋からの眺め。大阪湾を越えて奈良の山々が見渡せます。

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二つの洗面器を備え、広さに余裕のある洗面所。

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湿気などの籠りにくい、開放的な引き出しを備えています。
床:平田タイル/キャリエール

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トイレの引き戸を開放したところ。トイレっぽくない雰囲気を作り出しています。

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真鍮の天板にカーブした収納扉、便器に座ったまま開閉できます。

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2台分のインナーガレージ、オーバースライダーを開けた状態。奥に、雨が降っても濡れずに車に乗り込めるよう勝手口(日常的な玄関)を設けています。

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一見ショーウィンドウの様に見えますが、ガレージ側から買い物の荷物を入れ、勝手口から取り出すことのできる「両面収納」です。

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勝手口側から見た「両面収納」。

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勝手口は、直接LDKにつながっています。東側の上部ハイサイドライトによって、朝、清々しい明るさになります。
床:平田タイル/シエラ



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【概 要】

竣 工:令和5(2023)年1月

所 在:兵庫県芦屋市

地 域:第1種低層住居専用

敷地面積:522.68m²(158.11坪)

延床面積:241.09m²(72.29坪)

建築面積:202.80m²(61.34坪)

住居面積:200.52m²(60.65坪)

建蔽率 :38.80% <40% 容積率 :38.36% <80%

規 模:地上2階

構 造:木造在来工法

構造設計:S-cube

施工:船橋建設株式会社


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by ocm2000 | 2023-02-02 10:11 | 「芦屋の家」
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